昨年に引き続き、今年度も宗祖親鸞聖人の教えを学ぶ場として「親鸞講座」を開催致します。
この講座では、親鸞聖人のお言葉(御著作)を読み進めながら、その教えに触れることを目的としています。
どなたでも参加することができますので、ご家族、ご友人など誘い合わせてご参加下さい。
途中参加の方も歓迎致します。
講 師 宮本 浩尊 《天融寺住職・博士(文学)》
参加費 無料。初回のみテキスト購入費(210円)がかかります。
テキスト 『歎異抄』(東本願寺出版)
日 程 1月と8月を除く毎月1回(第2日曜日)15時〜16時30分
2023年の日程
1月 休講
2月 12日(日)
3月 12日(日)
4月  9日(日)
5月 14日(日)
6月 11日(日)
7月  9日(日)→7月2日に変更
8月 休講
9月 10日(日)
10月  8日(日)
11月 12日(日)
12月 10日(日)
■講座内容
 『歎異抄』を読み進めています。『歎異抄』は、親鸞聖人の弟子唯円坊の著作と言われています。その内容は、唯円坊が生前の親鸞聖人がお話になられた言葉を思い起こしながら著述する形式を取っています。以下に、2019年の親鸞講座で学んだ『歎異抄』第一条の原文と現代語訳を提示致します。
■『歎異抄』第一条
 原文

「弥陀の誓願不思議に助けられまいらせて往生を遂ぐるなり」と信じて「念仏申さん」と思い立つ心のおこるとき、すなわち摂取不捨の利益にあずけしめたまうなり。
弥陀の本願には老少善悪の人をえらばれず、ただ信心を要とすと知るべし。その故は、罪悪深重、煩悩熾盛の衆生を助けんがための順にてますます。しかれば本願を信ぜんには、他の善も要にあらず。念仏にまさるべけき善なきがゆえに、悪をもおそるべからず。弥陀の本願をさまたぐるほどの悪なきがゆえにと云々
 現代語訳
 阿弥陀仏が法蔵菩薩という名前の修行者であったとき、仏陀になるための修行を開始する際に起こした誓願は、私たち衆生の理解を超えたものである。
「この法蔵菩薩の誓願の助けをこうむって、私は必ず極楽浄土への往生を遂げるのだ」と信じて、私の中に「南無阿弥陀仏」という称名念仏を申しあげようと思い立つ心が起こったとき、私は、即座に阿弥陀仏の摂取不捨の利益に預からせて頂くのである。
阿弥陀仏の本願においては、老人である、若者である、善人である、悪人であるといった理由で人間が選別されることはない。阿弥陀仏の本願においては、「信心」ただひとつが肝要なのであると心得なくてはならない。その理由は、阿弥陀仏の本願は、罪悪が深くして重く、煩悩の炎が燃え盛るような衆生を助けるために起こされたものであるからである。
従って、阿弥陀仏の本願を信じる際には、他にどのような善い行いをする必要もないのである。なぜならば、「南無阿弥陀仏」という称名念仏より優れた善い行いは存在しないからである。また、悪い行いをしてしまう自分が救われないのではないかと不安になる必要もない。阿弥陀仏の本願の働きを妨害するほどの悪い行いなど存在しないからである。