御親修による宗祖御遠忌法要 門首挨拶文

当日の写真 文化時報掲載記事
ご挨拶
住職 宮本 正尊
 天融寺檀信徒の皆様にはごろより寺門の護持と聞法活動の充実発展のため種々ご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。 
 また、このたびの天融寺会館・納骨堂・庫裡の建設に対しまして尊いご懇志をお運びくだされましたことに、重ねて衷心よりお礼申上げます。
 おかげさまで、昨年11月1日より3日まで京都の御本山より真宗大谷派第二十五代ご門首大谷暢顯様、ならびに大谷妙子ご門首夫人をお迎えし、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要、会館・納骨堂・庫裡落慶法要、開基住職百回忌法要、平成24年度宗祖聖人報恩講を盛大裡に厳修させていただくと共に、大谷婦人会天融寺支部創立百周年記念大会も併催させていただきました。
 秋も深まり、紅葉真っ盛りの境内のもと、御本堂は連日満堂の盛会で、10月29日より31日の準備期間及び11月4日の後片付けを入れると都合1週間、述べ人数2000名近い方々のご参詣、お手伝いをいただいたことでありました。あらためて、ご参詣、お手伝いいただきました檀信徒の皆様には甚深の謝意を表します。
 思いますに、このたび一世一代のご盛儀を執り行わせていただけました背景といたしまして、皆様のご懸念あってのことはもとよりですが、今は故人となられました天融寺にゆかりの深い幾万人、幾十万人という御門徒の方々のこれまでの念力、ご冥加に負うところが非常に大きいと感ぜずにはおれません。間違いなく檀信徒のご先祖の皆様方もお浄土から私たちと一緒になって阿弥陀仏様のお徳、宗祖親鸞聖人のお徳をご讃嘆くだされていたものと信じます。まことに有難いことです。
 現在の日本は政治、経済、文化の諸方面で確固たる方向、自信、拠り所を見失い、価値的にも大きく揺らいでいるような観がいたします。
 今こそ私たちはいのちの原点に返り、「私が人生を生きていく上で、本当に尊いこと(本尊)とは何か」というご本尊をもつことの意義を明らかにさせていただかなければなりません。正に「南無阿弥陀仏」の六字のご名号(お念仏)のおいわれをしっかりと聞き明かしていくことが願われているといえましょう。
 今年もどうかお誘い合わせて、ひとりでも多くの方がご法座へお参りくださいますよう、お待ちいたしております。

記念式典における顕彰について
 11月3日の記念式典におきまして、永年役員として寺門の護持にご功労のあられた方、及び今回の会館・庫裡の建設事業に対しまして特志寄付金をお寄せくだされた方に対し、宗務総長様、教務所長様、住職より表彰状、感謝状が贈呈されました。
天融寺門徒会会長
天融寺会館・納骨堂・庫裡建設委員会委員長
弘中 正利
 このたび、私どもの心の拠り所である千歳山天融寺の会館・納骨堂・庫裡の建設に際しまして、門徒会会員の皆様方には物心両面にわたり多大のご支援をいただきまして誠にありがとうございました。お陰をもちまして、事業は滞りなく完成することが出来ました。また建物の完成を機縁として、昨年11月1日より3日まで宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要、並びに会館・納骨堂・庫裡落慶法要、開基住職百回忌法要、平成24年度宗祖聖人報恩講を厳修させていただきました。大勢の皆様のご協力とご参加をいただき、盛会のうちに終わらせていただきました。重ねて厚く御礼申し上げます。
 これからも、なにとぞ天融寺門徒会に対しまして変わらぬご支援をくださいますよう、よろしくお願い申し上げ、ご挨拶といたします。
大谷婦人会天融寺支部 創立百周年記念大会
 この度、大谷婦人会天融寺支部では、創立百周年を迎えました。
 天融寺では、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要、会館・納骨堂・庫裡落慶法要を御本山より御門首様ご夫妻にお越しいただきお勤めさせていただきました。これを機縁として、私どもの大谷婦人会の会長様でありますご門首夫人のご臨席をいただき、喜びいっぱいのうちに、創立百周年大会をお勤め致しました。

  『人見受け難し、いますでに受く。
    仏法聞き難し、いますでに聞く。』


 明治19年に創設された天融寺。多くの老若男女が父祖の地を離れ北の大地に入植しました。
男たちは、大木を切り倒し、女たちは、その大きな根っこを掘り起こした。おなかに宿ったいのち、生まれ出るということのないいのち、幾度もいくども流れてしまったいのち。悲しみのどん底から這い上がり生き抜いた若い男女、大地に響いた悲しみ一杯の念仏の声。
『人身受け難し いますでに受く』

 大正元年、一人ひとり親より持たせられし御本尊を胸にいだき、悲しみを縁として集まった婦人たち。いのちがけで生き抜いてきた多くの先達。その時代その時代で、悩み苦しみ孤独に喘ぎながら、本願念仏のみ教えを聞き、そして念仏申して立ち上がってきた人々のその歩みが、今、百年という時を経て私のところ迄届いて下さった。
『仏法聞き難し いますでに聞く』

 現代を生きる私たちは、先達が届けて下さった念仏申すことの大切さを、次代を生きるいのち繁げし者たちへ、伝える責任を果たしているでしょうか。改めて人として生まれた意義と生きる喜びを感じ考える時と場所をいただきました。大切な人との出会いを、本当に生きるとは何かという事を、そして同朋とよばれる私とあなたを、『たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ』と親鸞聖人様が、励まして下さっています。ご縁の中で共に願生浄土の道を歩む事を誓い合いました。
1週間にわたりお世話を下さいました婦人会の会員の皆様に心より厚く御礼を申し上げます。
有難うございました。   合掌

記念大会における功労者の顕彰
 大谷妙子会長さまより、功労のあった会員の皆様に表彰状と感謝状が贈られました。
・表彰状(特別感謝状) 会長経験者・三役3期以上・幹事20年以上を対象
・感謝状 三役経験者・幹事15年以上を対象
 長い長い月日を、ただひたすらに寺門護持、お念仏相続のためにお力添えをいただきました。誠に有難うございました。
 この婦人会の歩みが、百年二百年と引き継がれて行く事を願い、あらゆる機会を捉え、多くの人々にお内仏を真の拠り所として生きて行く事の大切さを伝えていく努力をし、一隅を照らす役割を果たしていかなければならないと思います。